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難民映画祭:「ビルマVJ」、もしビルマに行く機会があれば、常に空気を漂う粒子のように、ここかしこに悲しみを感じ取ることができるだろう。
2009年10月 7日 01:26 [21矢澤利弘]
アンダース・オステルガルド監督のデンマーク映画「ビルマVJ」は2007年にミャンマーで起きた反政府デモの映像を発信し続けたビデオ・ジャーナリストの活動をテーマにしたドキュメンタリー。2009年サンダンス映画祭で世界映画ドキュメンタリー制作賞を受賞した。

(c) 2008 Magic Hour Films
軍事政権下のミャンマー。情報は遮断され、カメラを持って撮影すること自体が禁止されている環境にある。真の姿を世界に発信し続けたのが、この映画で取り上げられているようなビデオ・ジャーナリストたちである。
映画は緊迫した現地の映像とジャーナリストたちを組織化したある男を中心に描いている。僧侶たちのデモ、暴力を振るわれる僧侶、民間人を制圧するために発砲する治安維持兵、殺されるジャーナリスト。そのなかには銃弾に倒れた長井健司氏の姿もあった。
ビルマの民間人は自分も殺されるのではないかという恐怖におびえている。自らの殻に閉じこもり、思うままに行動することはできないのである。
原案・脚本・助監督を務めたヤン・クログスガードさんの父親は第二次世界大戦当時、ドイツで暮らしていた。12歳だった父は過去を引きずっており、家族全員が苦痛を強いられて生きてきた。それが、この映画のアイデアに結びついたという。彼は「私たちは与えられた社会・文化のなかでなんとか生き延びようとする。しかし、自分たちの意志に従って生きられない人々もいる」と語る。

ヤン・クログスガードさん(撮影:矢澤利弘)
ビデオ・ジャーナリストたちは、自分たちの衝動を抑えきれなくて活動しているのだろう。それはクログスガードさんにとっても同じだ。何かを伝えたくて映画の完成までには7年を費やした。今回の映画はドキュメンタリーだが、今度は同じ題材で劇映画を製作しようと、脚本を執筆中だ。
「もしビルマに行く機会があれば、常に空気を漂う粒子のように、ここかしこに悲しみを感じ取ることができるだろう」。クログスガードさんはこうつぶやく。ミャンマーの現状は50年前となんら変わっていないのだ。(了)

(c) 2008 Magic Hour Films
軍事政権下のミャンマー。情報は遮断され、カメラを持って撮影すること自体が禁止されている環境にある。真の姿を世界に発信し続けたのが、この映画で取り上げられているようなビデオ・ジャーナリストたちである。
映画は緊迫した現地の映像とジャーナリストたちを組織化したある男を中心に描いている。僧侶たちのデモ、暴力を振るわれる僧侶、民間人を制圧するために発砲する治安維持兵、殺されるジャーナリスト。そのなかには銃弾に倒れた長井健司氏の姿もあった。
ビルマの民間人は自分も殺されるのではないかという恐怖におびえている。自らの殻に閉じこもり、思うままに行動することはできないのである。
原案・脚本・助監督を務めたヤン・クログスガードさんの父親は第二次世界大戦当時、ドイツで暮らしていた。12歳だった父は過去を引きずっており、家族全員が苦痛を強いられて生きてきた。それが、この映画のアイデアに結びついたという。彼は「私たちは与えられた社会・文化のなかでなんとか生き延びようとする。しかし、自分たちの意志に従って生きられない人々もいる」と語る。
ヤン・クログスガードさん(撮影:矢澤利弘)
ビデオ・ジャーナリストたちは、自分たちの衝動を抑えきれなくて活動しているのだろう。それはクログスガードさんにとっても同じだ。何かを伝えたくて映画の完成までには7年を費やした。今回の映画はドキュメンタリーだが、今度は同じ題材で劇映画を製作しようと、脚本を執筆中だ。
「もしビルマに行く機会があれば、常に空気を漂う粒子のように、ここかしこに悲しみを感じ取ることができるだろう」。クログスガードさんはこうつぶやく。ミャンマーの現状は50年前となんら変わっていないのだ。(了)

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