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ジュゼッペ・トルナトーレ監督「バーリア」、寸分の隙もない映画、使い古された言葉だが、まさに「映像による叙事詩」
2009年10月23日 10:20 [21矢澤利弘]

思わず涙がこぼれた。悲しいストーリーだからではない。これほどまでに完成され、崇高な作品に触れることができたゆえだろう。
ジュゼッペ・トルナトーレ監督の『バーリア』は、南イタリアの小さな町の雄大な時間の流れを描いた。
映画はシチリアの町バゲリーアを舞台に、牛飼いの息子として生まれたペッピーノの人生を追う。2時間45分の長尺だが、脚本、映像ともに全く隙がない。無駄なカットはひとつもない。
1930年代、第二次世界大戦、戦後、そして現代へと駆け抜けるカメラ。貧しい牛飼いとしての生活、美しい女性との恋愛と結婚、共産主義者としての政治活動、マフィアとの戦い。ドラマはペッピーノの父、ペッピーノ、ペッピーノの息子へと受け継がれる。
今見ている映像ははたして現実なのか夢なのか、そんなことはどうでもいい。トルナトーレは観客をタイムマシンに乗せてしまったのだから。(了)
矢澤利弘

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