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東京国際映画祭:「5分間の天国」、殺人犯と被害者の弟とが対面するとき。時の流れはすべてのものを浄化するのか。
2009年10月23日 08:47 [21矢澤利弘]

人間は過去を背負いながら生きている。だが、次のステップへ進むためには、何かを終わらせなければならない。
殺人犯とその殺人犯に兄を殺された弟。テレビ番組の企画でふたりが対面することになる。一体彼らはどのような行動をするのだろうか。時の流れはすべてのものを浄化するのか。
人は過去の呪縛から逃れられない。それは被害者であっても、そして加害者であっても。練り上げられたガイ・ヒバートの脚本は人間の根源をえぐり出すかのようだ。
オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督の『5分間の天国』は過去から逃れられないふたりの男を描く。原題を直訳すると天国の5分間。
北アイルランド紛争から30年。殺人犯はヒーロー気取りで敵対するグループの男を射殺する。その場面に居合わせた被害者の弟は何もできなかったことを母親から責められる。
敵同士となったふたりはそれぞれが自動車に乗って番組収録に向かう。バックシートに座る被害者の弟の苦悩、そして加害者の男が過去に行った罪とその呪縛。ふたりとも現在の生活は空虚そのものだ。リーアム・ニーソンとジェームス・ネスビットの一人芝居が緊張感を醸し出す。
人の心を描くとはこの映画のことをいうのだろう。(了)
矢澤利弘

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