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東京国際映画祭コンペティション:「テン・ウィンターズ」、ヴェネチアを舞台にした十年愛
2009年10月16日 17:18 [21矢澤利弘]

付かず別れずというぎこちないふたりが10回目の冬を迎えて、ようやく結ばれる。イタリアのヴァレリオ・ミエーリ監督の『テン・ウインターズ』はゆっくりと成長していく男女の腐れ縁をパッチワーク風に描いた。
主演女優のイザベッラ・ラゴネーゼは『見わたすかぎり人生』でも大学を優秀な成績で卒業しながらも、テレホンアポインターの仕事をしているという高学歴ワーキングプアを活き活きと演じていた。本作でもロシア文学を学び、見事な論文を書き上げる学生カミッラを演じている。
10年あれば、誰でも何度かの恋愛を経験するだろう。ロシアに留学したカミッラは現地の男性と恋愛をするのがむしろ自然な成り行きだ。デシーカの『ひまわり』のように、イタリアとロシアの風景のシンメトリーが、ふたりの立場の距離感を写し出す。
ふ たりの生活を年代別に断片的に描いているからか、最後にふたりが結ばれることになっても、それほどカタルシスが得られない。腐れ縁を淡々と描いているた め、たとえふたりが結ばれることになっても、それは予定調和にしか感じられないのである。ただ、10年間の重みはしっかりと描かれている。(了)
(2009年10月15日、映画美学校第1試写室)

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