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東京国際映画祭コンペティション:「少年トロツキー」、コメディの皮をかぶった芯の通った青春活劇

2009年10月10日 00:58 [21矢澤利弘]

trotsky_m(c)2009 TROTSKY PRODUCTIONS INC.

ジェイコブ・ティアニー監督のカナダ映画「少年トロツキー」はコミカルな演出で包まれながらも芯の通った青春活劇だ。2009年東京国際映画祭コンペティション出品作品。

主人公のレオン・ブロンスタインは20世紀初頭のソ連の因習破壊主義者であるレオン・トロツキーに執心。自らをトロツキーの生まれ変わりであると信じ、彼の伝記と同じような人生を送ろうとする。父親の経営する工場でハンストをしたり、労働者に団結を呼びかけたり。その罰として父親はレオンを公立高校へ転校させる。公立の学校には通ったことのないレオンだったが、ここでも持ち前のキャラクターで、学校の変革を呼びかける。

冒頭の数分間は、変わり者の生活をおもしろおかしく描くだけのコメディにも見える。だが、そうではない。異常にも思えた主人公の生き様に次第に共感できるようになってくるから不思議だ。彼が正しいか間違っているかは分からない。だが、少なくとも彼は行動している。そのことに影響されてか、世の中に無関心だった高校生たちが自主的に行動を起こす。

物語は、高校で組合結成を認めさせるための活動と主人公の恋愛のエピソードが入り交じって構成されている。最初は主人公を嫌っていた年上の女性が最後には主人公の一途な行動力に思わず惹かれてしまうという展開も清々しい。主人公を演じるジェイ・バルチェルのキャラクターが愉快だ。使い古されたようにもみえる「戦艦ポチョムキン」のオデッサの階段のシーンのパロディも笑える。

ティアニー監督は俳優として長いキャリアを持ち、本作が長編2作目の作品となる。(了)