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難民映画祭:「要塞」、政治的な側面ではなく、難民申請者の人間的な側面を扱おうと思った。

2009年10月 8日 23:31 [21矢澤利弘]

フェルナンド・メルガー監督のスイス映画「要塞」は、難民としての庇護希望者を一時的に収容する施設の人々の人間模様を描いたドキュメンタリーで、ロカルノ国際映画祭で金豹賞(グランプリ)を受賞している。

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(c) 2008 Association Climage

施設に収容されている難民申請者ひとりひとりの人間性を描いた。彼らは悲惨な思いと不安のなかで、笑い合い励まし合っている。不安からか規則で禁止されている酒を飲み、午後5時の門限を破ってしまう者。子どもが殺されたときの恐怖を話す者。面接での話に具体性がないと指摘され、難民申請を却下される者。収容施設=「要塞」のなかには人生の縮図がある。

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フェルナンド・メルガー監督(撮影:矢澤利弘)

フェルナンド・メルガー監督によると、3年ぐらい前からヨーロッパでは右傾化が進んでおり、難民は選挙の道具として使われているという。難民に対して、かつてのユダヤ人が迫害されたのと同じようなキャンペーンを行っているというのである。

スイスでは、この20年間で様々な難民に対する法律が可決されてきたが、難民認定は制限される方向に動いてきている。警察は令状なしに家宅捜索を行うことができ、難民を無断で家に泊めると刑事罰を受ける。

メルガー監督はこの映画では、「政治的な側面ではなく、難民申請者の人間的な側面を扱おうと思った」という。難民申請が却下される者、認定される者。難民申請者を実際に難民として認定するという作業自体も困難を極める。中にはすべての難民申請者を受け入れるべきだという過激な主張もある。だが、大多数の人々はよそ者が自分の生活圏に入ってくるのをどうしても否定しがちである。(了)