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2009年6月18日

01工藤英博

~西5でちょっとだけお茶を~「知りたいのは録画率」―新たな指標を考えるべき時―

 「録画率」という調査の必要性が最近の新聞紙上(日刊ゲンダイ、朝日新聞など)でクローズアップされている。視聴率がリアルタイムで番組を視聴している世帯の割合なのに対し、録画率は番組を録画予約した人の割合を指すものだ。
 問題なのは、ビデオやDVDに録画したテレビ番組をそれだけ見ていても、何ら視聴率に積算されないことだ。視聴率1位の番組が、視聴者にもっとも支持された番組だとは限らないのだ。一部のテレビ雑誌では、すでに独自の録画率調査を集計し始めている。それが視聴率調査と比較して、一体どれほどの落差があるのか。改めて見直してみると驚くべき結果が出てくる。

 例えば、4月27日から5月3日までの視聴率。1位から5位までを並べてみると「ネプリーグ」、はねるのトびら」、「NHKニュース」、「首都圏ニュース」、「ぐるぐるナインティナイン」という結果だ(ビデオリサーチ関東地区)。
 ところが、老舗のテレビ誌『TVガイド』が調べた録画率を見てみると様相が一変する。トップは「鋼の錬金術師」、「けいおん!」、「婚カツ!」、「BOSS」、「アイシテル」という具合で圧倒的にドラマが多い。9%台に喘いでいて、『月9始まって以来の低視聴率』などと言われている「婚カツ!」も、録画率ではいい成績を収めている。
 『TVガイド』とは別に、録画率を独自に調べているところはもう1か所あって、ソネットエンターテインメントが運営する『Gガイド・テレビ王国』だ。今度はこの数値(6月1日~7日調べ)での比較では、やっぱり「婚カツ!」はトップ10に入っている。その他、視聴率調査ではトップ30にも入らなかった「白い春」(阿部寛主演)や「スマイル」(松本潤主演)も10位以内に入っている。
 ちなみに首位は例のキムタクの「MR.BRAIN」。視聴率では3話目で20%台を陥落し、「BOSS」(天海祐希)に抜かれたが、録画率では好調を続けているようだ。逆に視聴率では好調でも録画率が振るわない番組では「ネプリーグ」、「行列のできる法律相談所」などのお笑い系が目立っていて、こうした番組は"見る"というよりも"つけている"ケースがほとんどだから、録画率が低いのも納得できる。
 いずれにしてもデジタル機器が普及した今日では良質の番組、視聴者が期待し、興味ある番組ほど、決して台所など何かをしながらではなく、録画して自分の都合のいい時間にじっくり見る、これが普通の視聴スタイルになっている。それに、アイドルや若手俳優が出演するドラマを好む若い視聴者は、ゴールデンタイムに在宅していないことが多いのではなかろうか。そういった現実が反映されないのでは、"視聴率は番組に対する絶対的な評価としては機能していない"と、ついに広告界からも声が上がり始めている。
 もっとも「視聴率は無作為抽出によるサンプルからデータを集めているが、録画率はインターネット経由で調査され、そうした手続きをとってないのだから同じ土俵の上では評価できない」という厳しい意見もあるにはある。

 「テレビ不況」が叫ばれている今だからこそ、テレビ局はもちろん、スポンサーや広告代理店は「オープンな議論」を活発に交わして、少なくとも"録画率"を公開する仕組み作りに本腰を入れて考え直し、長年に渡ってテレビ界を支配してきた"視聴率至上主義"から脱却すべき時を迎えているのではないだろうか。

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