アカデミー賞受賞記念!「スラムドッグ$ミリオネア」がもっとわかる!9つのマメ知識⑤
引き続き「スラムドッグ$ミリオネア」をより深く楽しむためのマメ知識をお送りします。
主人公ジャマール君への次の問題は、「100米ドル紙幣には誰の肖像が描かれているか?」というものでした。この問題に対して、「(100ドルは)僕のチップの最低額だよ。」と冗談をいう彼に、司会者は、「(お茶くみに100ドルもチップをあげてるから、)だから、電話料金が高いんだ。」と返します。司会者は、彼のことをしばしば「お茶くみ」と呼んでいます。日本語字幕では単なる「お茶くみ」ですが、ここでは「チャーイワーラー」というヒンディー語の単語が使われています。「チャーイ」は「紅茶」のこと、「ワーラー」は「~する人」の意味で、あわせて「紅茶を給仕するボーイ」ということになりますが、そこには、「学がなくて、紅茶を配るぐらいしか他に何もできない奴」という意味合いが言外にこめられています。その点で、日本語の「お茶くみ」という語以上に、相手をさげすんでみるニュアンスがかなり強いと言えます。クイズ番組の最初で自己紹介を求められて、ジャマール君が「コールセンターのアシスタントで、紅茶を出してます。」と言ったのに対して、「チャーイワーラ!」と叫ぶのにはじまって、ほとんど英語で話を進めているこの司会者が、わざわざここでヒンディー語の単語を使って、彼のことを「チャーイワーラー」と揶揄していることには、このような意味合いがあるのです。
さて、ここで問題です。ジャマール君は、「100米ドル紙幣には誰の肖像が描かれているか?」という問題に、見事正解するのですが、彼の取調べを行なっていた警察官からの「1000ルピー紙幣の肖像は誰か?」という質問には答えられませんでした。さて、インドの1000ルピー紙幣に描かれているのは、誰の肖像でしょうか?
A: スールダース B: アショーカ王
C: マハートマ=ガーンディー(いわゆるガンジー) D: アミターブ=バッチャン
さあ、あなたのファイナルアンサーは? 答えは、映画館で・・・
追記:大野先生からいただいた「インドの人たちはこの映画をどう見ているのか。」というご質問に関してですが、私の大学の後輩で、北大准教授の中島岳志さんが『クーリエ・ジャポン』6月号の中で、その点について触れたインドの2つの雑誌記事を紹介しています。『インディア=トゥデイ』、『アウトルック』というインドの代表的英字誌からのものですので、インドにおけるこの映画に対する見解を顕著に示す例と言えるでしょう。
