148円のゴクラク
プロデューサーは、なにかに固執するようなひとのほうが成功する。
などと言われますが、残念ながら、私にはそんな執着心がないようで、
せいぜいが●×ファンというくらいの可愛いものです。
ご飯も好きですが、実は、菓子パンファンです。
一時、アンパンに凝っていたときがありました。
そのときの私の一押しは、
秋葉原駅構内のミルクスタンドのアンパンでした。
御茶ノ水行きの総武線ホームにあるスタンドで、
ビン牛乳とアンパンを一つづつ買って、電車がくるまでに、
アンパンをほおばりながら、牛乳を一気に流し込む。
もちもちしたパンの食感にちょうどよい甘みのアンコが、
牛乳とともに口の中に広がっていくと電車が来る。
この瞬間の美味しさがたまらなく好きでした。
いまもスタンドはありますが、あの牛乳とアンパンは
もう扱ってくれていません。
最近は、クリームパンに想い入れしています。
クリームパンは、明治時代に中村屋が発売したと言われています。
その当時、高価なお菓子であったシュークリームを
パンに置き換えて、販売したところ大当たりしたと聞きます。
カスタードクリームが基本ですが、ホイップクリームが入っていたり、
バタークリームみたいなものまでクリームパンと呼ばれています。
ふっくらとして柔らかで、ちょっと焦げ目のあるパン皮と
適度な甘さでキメ細やかなクリームの中身が調和したものが基本ですが、
クリームがとにかくやわらかなもの、卵クリームともいえるような
ちょっと固めのもの、ホイップとバターの混ぜあわせなどなど、
皮のほうも大きいもの小さいもの、焦げ目をわざときつくしたもの、
ふわふわしたものなどなど解釈がまちまちだから作りも様々にありますね。
どれもクリームパンでよいわけで、好みもあるでしょうが、
美味しいと思うクリームパンって結構少ないと思う。
私の舌は、少なくともそう言っています
最近、東京の高輪にブーランジェ・セイジ アサクラ
というパン屋さんができたんですが、
これが、とてもおいしいパンをつくる。食パンがとてもおいしい。
でもね、ここの私のお勧めは、うれしいことにクリームパンなんですね。
このクリームパンは、
パン皮が、しっとりとしてとても柔らかい。口に含むと程よい甘みが広がってくる。
そして、中身のカスタードクリームのきめの細かいこと!
練りに練っているのでしょうが、そのくせふわっとしていて、
甘すぎない大人の味が口の中で滑らかに解けていく感じ。
カスタードクリームっておいしくするのは、結構難しいよね。
最近は、クリームパンの専門店もあるようですが、
これほど完成されたクリームパンを味わったことがありません。
守るべきことがあります。午前中に買いに行って、すぐに食べてほしい。
パンも生きものだから、作られて時間を立たずに、あったかいうちに
食べることができれば、至極の世界を味わうことができますよ。
148円(2009年4月時点消費税込み)の桃源郷。
ゴクラク極楽。ああ、美味しい。

