はだしのタップダンサー
東京・丸の内にある「コットン・クラブ」。
1920年代の禁酒法時代からニューヨークのハーレム地区にある有名なナイトクラブの東京店だが、
10月にデューク・エリントン・オーケストラが来日し公演を行っている。
その中日に、ゲストとして出演したのが、オマー・エドワーズ(OMAR EDWARDS)だ。
彼は、生粋のハーレムっ子で、いま一番人気のタップダンサーだ。
タップダンスというと、年配の方は、ミュージカルの至宝「フレッド・アステア」そして「ジーン・ケリー」
を思い出すだろう。日本だと中川三郎かな。
でもいまは、タップは、表現のみならず楽器としてより機能している。
オマーは、ジャズとタップを融合した新しいエンターテインメントで、トニー賞も取っている。
今、日本でもタップダンサーが育ち始めていて、熊谷和徳というイケメンのタップダンサーが、
多くの若い女性ファンを魅了している。その彼も、オマーのダンススタジオでレッスンを受けた一人だ。
オマーの魅力は、その表現力と力強い偏平足である。足がでかい!強い!半端な音ぢゃあない!
彼はタップシューズで踊ることもあるが、裸足でタップを踏むことで有名だ。
まるでアフリカの土着の人間のように土(ステージ)と一体化している。
その足が打ちつける音は半端なくステージを響かせる。そして、それが私の体から心まで打ち震える。
でも彼は、普段は大都会NYの陽気なナイスガイだ。モデルのように背が高くてかっこいいやさ男。
しかし、彼がタップを踏み始めると、なにも背景がないのに、突然アフリカの赤い大地が見えてくる。
戦場の凄惨な光景が浮き出てくる。打ち付けられる雨が冷たかったり、
つましいけれども幸福な家族のすがたが見えたり、限りなく続く草原に吹き抜ける風を感じたりできる。
タップで歌を歌っているようにも詩を語っているようにも見える。
タップの名手といえば、映画「ホワイトナイツ」に俳優として出ていた故グレゴリー・ハインズがいた。
が、いまの双璧は、私は、セヴィアン・グローバーとオマーだと思う。
セヴィアンが、2000年のバーブラストライサンドのミレニアムコンサートで踏んだタップは、
表現者として圧倒的な存在感を示した。(Timeless - Live in Concert (2001))
セヴィアンとバーブラの話は、いつかするとして、、、
このセヴィアン・グローバーが、オマーの先生であり従兄弟なのだ。血は争えないと思う。
オマーのコットン・クラブの出演は、もう終わってしまったから、
彼を生でみるには、ハーレムに行くか、
横浜ランドマークタワーの夏の恒例になっている「ハーレムナイト」に行ってみるしかない。
(来年になっちゃうね!)
目の当たりにしていない人には、この感動は、わからんだろうなあ。
オマーにまた来日してもらうように、なにか企画してみますかな。
