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2008年9月24日

04大野克人

サブプライム・ローン問題とコンテンツ産業

 サブプライム問題がここまで大きくなるとは予想してなかった。もともと二流投資銀行であったベア・スターンズや名門ではあるが凋落著しかったレーマンが、比較的得意であった証券化業務にのめり込んで破綻したのは兎も角、国際的に大きな存在感を持ち、デリバティブなどのハイリスク・ハイリターン業務で長らく時代を画してきたAIGまで巻き込まれたのは驚きであった。ハイリスク取引の保証や信用デリバティブで、技術的に損失額が確定できないような取引が山済みになっているということであろう。州法に縛られて国際化に遅れた米国保険会社の中で、アジアを中心に早くから国際展開をしてきたAIGは例外的存在で、わが国でもAIU保険(損保)、アリコジャッパン(生保)などを展開しており、AIGが倒産した場合の混乱は、投資銀行一つ二つの倒産とは複雑さがまったく違う。AIGは救済せざるを得なかったということである。その前の、政府系住宅ローン保証会社ファニメーとジェニメーもその債券が世界中に実質米国保証付き債券として売買されてきただけに、救済せざるを得なかったわけであるし、その発行残高は巨額である。先日、サブプライム・ローン業界の現場に詳しい知人から、まとまった話を聞く機会があったが、予想以上にひどいことが実践されていたことを知り、上述したような最近のなりふり構わぬアメリカ政府の対応状況を重ね合わせて考えると、問題の深刻さを改めて認識させられた。この問題は、日本のバブル崩壊より深刻な問題と考えるべきである。日本の場合は、不動産屋と投機家、そして金貸しが狂っただけであったが、米国ではGMなど基幹産業も政府救済の悲鳴を上げ、世界が依存していた借金消費国アメリカで家を追い出される人が出始め、これで打ち止めにはなりそうもないということである。

つまり、サブプライム・ローン問題は、相当長期間の世界的不況の口火になると考え、個人としてどのように対応するかを考え始めるべき時期にある。幸い、日本の経済力はまだまだ力を残しているから、今後予想される長期の円高ドル安のなかで、ソニーのようにメジャー映画を買い取り、高すぎるハリウッド・スターの賃金を大幅にカットして、もっと良い映画を世界に供給することを考えても良いかもしれない。その為に、弊学に入学して世界に通用するプロデューサーの勉強を始めても良いかもしれない。(再度、パナソニックがメジャー映画買収に動くのなら、今度は私を雇って欲しい。)これがふざけ過ぎというなら、(野村證券がレーマンの海外部門を買収したり、GMがトラック部門をいすずに売却したいと頼んだり、モルガンスタンレーやゴールドマンSというアメリカの代表的金融機関が日本に出資を求め始めているわけで、結構まじめな話のつもりですが・・・)先日書いた「サザエさんと株価」ではないが、景気が悪くなるとはやるようなコンテンツ産業を考えてみることだろう。テレビにはかなわないが、DVDやゲームは安く楽しめる工夫をすれば、意外に可能性を残すかもしれない。いずれにしろ、不況下で売れないコンテンツを企画・制作するのは自殺行為であり、長期不況下で成功するコンテンツをクリエイティブに考え、プロデュースしたいものである。

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