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エンジェル税制の改革
2008年7月10日 20:16 [04大野克人]
日本ベンチャー学会のシンポジウムで、新しいエンジェル税制の勉強をしてきた。(エンジェルとは、起業の初期のリスクの高い時期に資金提供してくれる個人投資家を意味する。)
私は銀行員ではあったが、後半の20年は新商品・新金融技術の開発を専らとし、最後の5年間は金融技術開発会社を社内ベンチャーとして設立し、社長を務めた。単なる金貸しではなく、社内起業家としての経験と自負があることもあり、事業構想論やベンチャー企業論を研究したり、教えたりしている。誤解を招く言い方になってしまうが、映画や映像コンテンツ製作のプロデューサーの職能の相当部分は、ベンチャー起業家や企業経営者の職能に近いように思っている。更に踏み込んで言えば、インディペンデントとして映画や映像コンテンツを製作するには、ひとつの作品を企画するより、複数の作品を作る前提で起業する方が、ポートフォリオ効果が期待できるだけ、投資家を集め易いはずであると考えている。
実際、エンジェル税制を含め、新しく会社を作って起業する場合には、信用保証協会保証融資や地方公共団体が提供する起業支援インフラ、あるいはプロの投融資家であるベンチャー・ファンドが整備されつつあるが、映画・映像コンテンツ制作にこれらの支援制度を利用するには、会社を作り、会社経営として整理することが便利である。米国や英国に比べ、わが国の起業支援制度が遅れていると言われて久しいが、今般のエンジェル税制の改正は、個人の総所得金額からエンジェル投資控除を認めることになるから、まとまった個人投資を映画・映像コンテンツ制作に招き入れることを可能にするかもしれない。しかし、その前提としては、企画された作品の投資効果を鋭く分析し見抜くことができ、投資家に信頼されるプロデューサーであり経営者であることが必要となる。

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