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銀座エルメスで映画を見る

2008年7月 7日 18:16 [10深尾淳一]

 「インドの話題をお送りしたい」と自己紹介しながら、これまでインドの話題がなかったので、ここで一つ。
 銀座でもひときわ目立つおしゃれなエルメスのビル、「メゾンエルメス」の10階には、知る人ぞ知る小さなプライベートシアター「ル=ステュディオ」があり、落ち着いた雰囲気で他では見る機会のまれな貴重な映像作品を楽しむことができます。今年のエルメスのテーマが「眩惑のインド」とのことで、インドをめぐる映画が、毎週土曜日に上映されています。
 先週までは、サタジット=レイ(ショトジット=ラエ)監督の「音楽サロン」(「音楽ホール」から改題)が上映されていました。時代の波に取り残され、没落の道をたどる大地主の姿は、まさに彼自身が飼う巨象のごとく、自らがよって立つ歴史の重みがゆえに、十分な身動きがとれないまま、日々をすごすばかりです。そんな彼には、残り少ない財産をはたいて、音楽サロンを開催し、近所でのし上がってきた成金なんかではなく、我こそが文化の担い手なのだという自負と虚飾に身を費やすほかはありません。その彼が、自分の馬で早駆けした末に、落馬して亡くなる結末は、時代に追いすがろうともがいても、最後にはそこから振り落とされてしまい、身を滅ぼす彼の有り様を、如実に象徴していて、秀逸でした。
 7月12日からは、ロッセリーニが、インドを舞台に撮影したドキュメンタリー「インディア」が上映されます。事前予約制、入場無料です。凝ったつくりのパンフレットや、キャンディまでついてきます。詳しくは、
http://homepage3.nifty.com/~mariamma/ind-guid.htmなどをご参考に。
 また、同館8階ギャラリーで開催中のN.S.ハーシャ展「レフトオーバーズ」も、南インドに行かれたことのある人にとっては必見の、おもしろいインスタレーション企画です。「レフトオーバー」とは、「食べ残し」のこと。南インドのお祝い事の際によく見られるような、バナナの葉を皿にした宴食の席の様子を、日本の食品サンプルの手法を使って再現した個性的なアート作品です。向こうでは日常的に見られる当たり前の光景を、アートの場を通して見直したとき、一つ一つの葉っぱの上に残されたさまざまな個性(「食べ残し」)が浮かび上がってくるさまを的確に表現していて、すばらしいと思いました。映画のついでにぜひどうぞ。詳しくは、
http://ginza.keizai.biz/headline/703/