パン屑ナビゲーション
- 映画専門大学院大学TOP >
- 講義・セミナー紹介ブログ
7/23 マーケティング I アスミックエース 山田雅子プロデューサー
2010年7月31日 11:48
7/23(金)のマーケティングⅠの講義に、アスミックエースのプロデューサー山田雅子氏がゲストスピーカーとしてご講演頂きました。
講演して頂いた内容は、以下の3部構成です。

1.就職の経緯
2.自身が携わった映画について
3.質疑応答
1.就職の経緯
日経新聞からCM制作会社マザースに移り更に東北新社を経て現在のアスミック・エースに落ち着くという異例の経歴。
日経新聞に入るまでの経緯は、基本的に元々物書き的な事がやりたかったので、大学時代にいろいろとやっていたら文章がうまくなってしまい、日経新聞に入れてしまった。お給料の手取りは"ぶっとぶくらい"良かったし、取材に行けば日経新聞の肩書から先生扱いを受け、決して待遇は悪くなかった。でもそこに居続けていいものか、このままだと自分を見失うと考え、物を作るとはどうなのだろうかと悩んだ結果、半年も経たずに退社。
次にCM制作会社マザースに入社。文章を書くことが得意だったけれども、はまり込んでしまったら見失うという事で、マザースというCM制作会社を選びました。入社した時に、日経新聞が半年も経たなかったので今回はまず腰を据えて10年やろうと思ったそうで、結果1992年から2003年までその会社には居ることになりました。日経新聞では会社の肩書で、取材に行けば先生と呼ばれていたのに対し、マザースではほとんど地べたをなめるような仕事で、「大学出てそんなことをしているの?」と憐れまれたりもしたが、人間肩書ではないなと考えたそうです。ただ、CM制作をしていた当時は、バブルがはじけた直後で、広告業界にかなりお金があり、良い映像を、お金をかけて作ることができたと語り、またお金を掛け過ぎても、先方からも文句を言われたけれどもしっかりと支払ってもらう事ができた時代だったとそうです。
CM会社で働いて得られた事としては、目の前の事をすべてやっていたら自然と全体像の把握ができて、お客さんに向けて何を言わなければいけないか、という考え方ができた事。特に、CMは尺が短いので比較的すべてを自分でやらなければいけなかった事も後々の仕事に影響。
しかし、時代も21世紀に入り本数もお金も減ってきて、これから受注は厳しいなと実感。CMは作りながら自分で予算の管理をし、さらに営業して代理店の人から仕事をもらうため、これからの時代は厳しくなる。CM以外でモノを作る方法論はなんだろうと考えた結果、2003年に東北新社に転職。
東北新社では、CMのみならずドラマやアニメ、東北新社が持っているCSチャンネルの番組、2時間ドラマなどに携わり、スタッフの動きや仕組みを観察。その結果、現在のアスミックエースに移りラブコンという映画の制作に携わった。
2.制作した映画について
映画ラブコンは、お金を集めてくるからという事で制作を開始。しかし対象者はお小遣いの少ない中高生ということで、動員数は少ないだろうと言われていた。結果は、漫画の原作もかなり売れていたということもあり興業成績は5.8億で上映100館~110館と好評だった。中学生の単価が1,000円程と考えると結構動員人数は多かった。この興行成績は原作の力に頼るだけではなく、作りの方法論としての工夫に注力。若い子向けにどう作るかという事を考え、CM制作時に培った、ぱっと見たときにそれとわかるヴィジュアル面をこの映画では徹底させた。また邦画としては珍しく、アートディレクターを別途立て、監督は演出のみに徹底させ比較的分業を推進。特に「私が新人監督を世に出す」という事でもやり方を工夫して制作した。
次に、ラブコンの方法を継承して作ったのがハンサムスーツ。ここでも新人監督を起用。前回が原作付けだったので今回はオリジナルで製作した結果、興行収入は8億6千万。
この時の流れで現在、脚本の鈴木おさむ氏、ビジュアルディレクターの飯田かずな氏と新人監督という組み合わせで企画が進行中。
【8月21日公開のNECK】
NECK制作の経緯は、山田氏がファンということで舞城王太郎氏にコンタクト。交渉に際し、舞城氏自身映像が非常に好きで、監督になりたいために作家になったという人で、自分に撮らせてくれと売り込んできた。いろいろ話をしたがやはり素人にいきなり撮影というのは難しいし、技術のない人が取るのは大変だと思ったので、監督をつけてあなたの世界を映像化する事が出来ると言いながら交渉。しかし舞城氏は、モーニングという雑誌でリアルモーニングコーヒーという映像の企画を立ち上げていた。それがNECKの原型。舞城氏は絵も描け、分厚い絵コンテをすでに制作していて、自分で監督をやりたいと改めて立候補。なかなか引かない舞城氏に対し、試しに監督として制作してみてもらったところ映像制作の難しさを理解してもらうに至り一件落着。
脚本素材が面白いので、まずは舞台劇にして青山の舞台で講演を行い、更にNECKのホラーなテイストを残しつつ、試行錯誤の上、ラブコメ要素をプラスした劇場作品のNECK(http://www.project-neck.com/pc/movie/index.php)となった。
3.質疑応答
残りの時間では本校の生徒たちと活発な質疑応答が交わされました。
Q.なぜアスミックエースに?
A.東北新社なので、上のお偉い人たちは洋画しか配給しないというプライドを持っているのか洋画の配給しかなかった。そこで、ラブコンのサイズになれば、インディペンデントにもでき、宣伝も含めて強いなと思った。当時は宣伝プロデューサーも兼ねていたけれども話が通じにくいし、大変だなと思っていた。なのでどうせだったら配給もあるところでやりたいなと思っていたら、アスミックエースの石松さんから電話がかかってきて、その繋がりで入った。結果、制作会社で映画作って配給するよりも、外部配給会社の方が楽なんだなという実感があります。
Q.東北新社からアスミックエースへ移る時も当然ですが、切り替え時のきっかけは?
A.きっかけは、CMの制作会社で1年働いていたら、嫌いなディレクターがいて、「お前将来何しているの?」と聞かれて、「10年後には小説とか書いていたいです」と言ったところ、「お前馬鹿じゃねーの?今できていないことを将来出来ると思うなんて本当のぼんくらだ」といわれ、確かにそうだなと。今目の前にある事が出来てその積み重ねで将来ができると思った。嫌いな人から言われた事なのにその時は割と素直に反省しました。こりゃ駄目だ、と思い直して、そこからです。気付いたもん勝ち。耳に痛い事は聞かないようにするけれども、そういったところに真実があるものです。
以上のような質疑応答が交わされ、講義も好評のうちに終わりました。

- テレビ・ラジオ・映画・アニメ・音楽・芸能の世界で活躍できる人材を育成する学校法人東放学園。
- 学校法人東放学園サイト

![]()
〒151-0071 東京都渋谷区本町3-40-6 TEL:03-5365-3399
Copyright 映画専門大学院大学 Graduate School of Film Producing All Rights Reserved.





































